ウィズダムツリーのジェレミー・シーゲル上級エコノミスト(ウォートン校ファイナンス名誉教授)は、原油価格が1バレル80ドル付近で推移すれば、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月の利上げを見送る可能性が高いとの見方を示した。
S&P500指数が初めて7800を上回り、堅調な決算とインフレの鈍化を背景に今月の上昇基調を拡大する中で、シーゲル氏がこう語った。
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インフレ鈍化が利上げ見送りの根拠に
今週発表のインフレ指標が利上げ確率を低下させたと指摘。消費者物価指数(CPI)は水曜日に、続いて生産者物価指数(PPI)が木曜日に発表された。
同氏によれば、ゴールドマン・サックスはこのデータを踏まえ、FRBが注視する個人消費支出(PCE)物価指数の見通しを引き下げた。現在同行は、同指数が月間で0.2%の上昇にとどまると予想しているという。
また、PCE指数の一部が株価上昇によるものでもあるという。株式の価値上昇がPCE指数のポートフォリオ運用項目を押し下げているとした。
今月初めには原油は100ドル台だったが下落した 出典: Trading View
この動きは、水曜日のCPI鈍化を受けた市場トレンドとも重なる。CPI発表前には9月の利上げ確率が市場で拮抗していたが、予想を下回る結果で「見送り」予想が優勢となった。
シーゲル氏はまた、今月初旬のレバレッジ主導の流動性懸念にも触れた。これは深刻な問題ではなく、市場の過度なリスクが限定的だったことを示すもので、その後株価は過去最高値を更新した。
決算の追い風とバリュー株への回帰
シーゲル氏は、AI関連投資がAIインフラを担う大手だけでなく、幅広い企業の利益を底上げしていると説明。企業が生成AIをコスト削減や利益率拡大に活用しているという。
「現時点で市場心理は過度に強気とは思わない。」
ジェレミー・シーゲル氏、CNBC
さらに、割高な成長株から1株利益の15倍程度で取引される割安なバリュー株への投資シフトも指摘。これらの企業はAIによる効率化の恩恵をまだ十分に享受しておらず、今後の追随余地がある。
この潮流は、投資家の間で指摘されるAI関連銘柄の選別局面とも一致。まずは小型株から波及するとの警戒感もある。
今後は、小売売上高や今月後半公表予定のPCE統計などを受け、9月利上げ観測がさらに後退するか注目される。


